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見ている対象を「把握する力」、的確に「表現する技術」、イメージしたものを「創造する力」、この3つをまとめて「デッサン力」と呼んでいます。デッサンは正確に表現することのスケールとして考えるのが一般的ですが、もっと幅広い意味で用いられる事もあります。デッサンは技術ではなく、感性だと考える人もいます。
一般的に絵が描けると「才能がある」という言葉で置き換えて処理されがちですが、基本から創造的なプロセスをきちっと踏んでいけば誰でも上達することが可能です。デッサンが描ける人はそれだけの努力を怠らなかった事に対して「才能のある人」と言えるでしょう。このようにして「把握する目」「表現する技術」は身についてくるのです。
「描く」と言うこと。それは脳が発達した人間だけが持つ能力です。つまり描く力というのは手の技術ではなく、見る見方でもない、脳の知覚によるところが大きいのです。そして脳の知覚トレーニングによって身につく力を「デッサン力」と呼んでいます。美術の世界で言う「デッサン力」は「対象を把握する能力」、「対称を的確に表現できる能力」です。
色彩論で有名な「ヨハネス・イッテン」のエピソードにこのような話があります。イッテンがデッサンのモチーフにレモン一個を持ってきます。学生はレモンなんかよりももっと興味深いモチーフを出してくれと文句を言います。するとイッテンは「いいえ、レモンの形を描くのではなくレモンの味を描いてください。」と言ったそうです。
さらに「君たちは芸術を仕事にしようとしている以上、形あるものは描けて当然です。学習や鍛錬はそれを通してその物をどのように表現するかを考える所から始まるのです。」と言ったそうですまさにデッサンの本質をついたエピソードだと思います。
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